PWM制御は、ファンの回転数を外部信号で変える方式です。発熱量に応じて速度を変えられれば、騒音と消費電力を同時に下げられます。サーバー・通信機器・医療機器では標準的な機能になっています。
PWM(パルス幅変調)の仕組み
PWMは、一定周期のスイッチを高速でオン/オフし、オン時間の割合(デューティ比)で電圧の実効値を変える方式です。ファン側では、この信号を受けてモーターの駆動を制御し、回転数を変えます。
デューティ比 100% ≒ 最高回転 / 50% ≒ 中間回転 / 0% ≒ 停止または最低回転(機種による)
PWM信号の周波数は25kHz(±5kHz)が一般的です。可聴域(20Hz〜20kHz)より上に設定するのは、信号そのものが耳障りな音として聞こえないようにするためです。
2線式・3線式・4線式の違い
- 2線式:電源(V+/GND)のみ。電圧を変えるか、ON/OFFするだけ。最も安価。
- 3線式:+FG信号(回転数パルス出力)。回転数を監視できるが、制御はできない。
- 4線式:+PWM信号入力。外部から回転数を制御でき、FGで回転数も監視できる。
「回転数を変えたい」なら4線式、「止まったことを検知したい」なら3線式(またはRD信号付き)、「常時全速でよい」なら2線式が適します。
4線式ファンの配線
- V+:電源(12V/24V/48V)
- GND:グランド
- FG:回転数パルス出力(オープンコレクタ。プルアップ抵抗が必要)
- PWM:回転数制御入力(通常は内部でプルアップ済み。未接続なら最高回転)
PWM線を接続しない状態では、多くのファンは最高回転で動作します(フェイルセーフ設計)。制御信号が途切れても冷却が止まらないため、信頼性設計としては都合が良い仕様です。
PWM制御のメリット
- 省エネ:回転数を下げると消費電力は回転数の3乗に比例して減ります(理論値)。
- 低騒音:騒音は回転数の6〜7乗に比例するため、少し落とすだけで大きく静かになります。
- 長寿命:ベアリング摩耗が減り、期待寿命が延びます。
- 温度連動:サーミスタと組み合わせれば、温度に応じた自動制御が可能です。
設計時の注意点
- 0%で止まるか最低回転か:機種により挙動が違います。停止させたくない場合は仕様を確認してください。
- 最低回転数:デューティ比20〜30%以下では回転が不安定になるモデルがあります。
- FG信号のプルアップ:3.3V/5V系でプルアップ抵抗(10kΩ程度)が必要です。
- ノイズ:PWM線はスイッチングノイズを含むため、信号線を電源線と束ねないよう配線します。
- 突入電流:起動時に定格の数倍の電流が流れるモデルがあります。電源容量に余裕を見てください。
PWMを使わない簡易的な速度制御
2線式ファンでも、電源電圧を下げれば回転数は下がります。ただし電圧を下げすぎると起動しなくなり、また電圧制御はPWMより効率が悪く発熱も増えます。きちんと速度制御するなら4線式+PWMが基本です。
PWM対応モデルはDCファン一覧に記載しています。制御仕様のご相談はお問い合わせまで。
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