冷却ファンは大きく「軸流ファン」と「遠心ファン(ブロワー)」に分かれます。見た目はどちらも回転する羽根ですが、空気の流れ方と得意な条件がまったく違います。
構造と気流方向の違い
軸流ファンは、プロペラ状の羽根が回転して空気を軸方向(回転軸と平行)に送り出します。家庭用扇風機と同じ原理で、広い面積に大量の風を流すのが得意です。
遠心ファン(ブロワー)は、円筒状の羽根車が空気を半径方向(外向き)に押し出します。吸気は軸方向、排気は側面方向になります。空気に遠心力を与えて圧力を上げる構造のため、狭い隙間へ風を押し込む力(静圧)が強いのが特長です。
P-Q特性の形が違う
軸流ファンは「風量型」で、P-Q曲線は右側(高風量側)に伸びます。抵抗が小さい条件では非常に効率が良い一方、抵抗が増すと風量が急激に落ちます。
遠心ファンは「静圧型」で、曲線が上側(高静圧側)に伸びます。抵抗が大きい条件でも風量を維持しやすい特性です。
どちらを選ぶか:判断の目安
- 軸流ファン:筐体に十分な吸排気口がある/基板全体をなでるように冷やしたい/低コストで風量を稼ぎたい/騒音を抑えたい
- 遠心ファン:吸排気口が小さい/フィルターやダクトがある/フィンの隙間が狭い/特定の部品へピンポイントで送風したい/密閉に近い筐体
迷ったときの目安として、吸排気口の実効面積がファン開口面積の50%を下回るなら遠心ファン寄りで検討します。
用途別の使い分け例
- 制御盤の全体換気 → 軸流ファン(解説)
- 3Dプリンタのモデル冷却 → 遠心ブロワー(指向性が必要/解説)
- 電源装置・UPS → 軸流ファン(12038が標準/解説)
- LED照明・プロジェクター → 薄型軸流 or 小型ブロワー(解説)
- 密閉筐体の内部循環 → 遠心ファン
当社のラインナップはDCファン(軸流)とDCブロワーファン(遠心)に分かれています。サイズ・風量・静圧の比較表が必要な場合はお問い合わせください。








